2014年06月02日
実学習

「ワイヤ送給装置」について

下写真のワイヤ送給装置において、加圧軸と駆動軸に取付けられた送給ローラーの上下からの加圧によって得られる摩擦力を利用してワイヤを送給します。
<写真(1)>    <写真(2)>
(右下図がワイヤ送給の原理図となります。) 従来は溶接電源の改良に重点が置かれ、ワイヤ送給特性の改良についての検討はあまり実施されていませんでした。 以前は写真(2)のようにそれぞれ1個の送給・加圧ローラーによる(一駆一従)方式が主流でしたが、近年では写真(1)のような2個ずつのローラーによる(二駆二従)方式へと変わりつつあります。 ワイヤの送給特性によってアーク状態が大きく左右される事は良く知られています。 ローラーの数を増やす事によりワイヤへの加圧力を分散させる事ができ、押出し力は大幅に改善されワイヤの変形や切り粉の発生などを大幅に低減して、安定した溶接が出来るようになり、送給によるトラブルを大きく低減する事が出来るようになってきました。
右下図において、送給ローラー側にV型の溝が切られている事に気付かれたでしょうか? 実は、ワイヤの送給を安定させる為の工夫がされているのです。